近代麻雀 9/15号 その1

近代麻雀9/15号

浜辺にたたずみ、思うはテラバイトの事ばかり。ア エルベレス ギルソニエル! そしてテラバイトのテラは多分、寺のことだろう。なにしろ、麻雀と寺との関係は昔から深い。
『凌ぎの哲』(原恵一郎)の権々会(ごんごんえ)の会場はお寺だし、
『麻雀五輪書』(画・森義一+作・志村裕次)には偉そうな和尚が出てきて「無の境地だ」とか講釈たれるし、
神崎充@『阿羅漢』(画・しもさか保+作・安藤満)はここに充は麻雀を始めて以来初めて阿羅漢となったのだし、
『剣師』(画・橋本俊二)の牧田妙見は禿げてるしビンディがあるし絶対坊さんだと思ったら「妙によく物が見えるから『妙見』という名前だったのだ」とか脱力この上ないオチが待ってたし。
私がもし塚本邦雄*1だったら間違いなくテラ=寺と言い切るね。掌の火傷に泡を吹く国士振る*2コノテーションならぬ、このテンションで今日は突き抜ける所存だ。ロケットで。


さて、皆さんもうお分かりのとおり、近代麻雀の最新号の注目連載作品は「真テラバイト」(画・戸田邦和+原作・平井りゅうじ)である。設定が登場する今回は、面白いかどうかを判別するための手がかりになるが、かなり惹きつけるのに成功している。たとえば、以下のような点が。

  • 檻にボンテージ姿の女を閉じ込める
  • ピラミッド型に牌を積む
  • 自動卓にわざわざピラミッド型のカバー(ハイチョウみたいな奴)をかぶせ、ボタンひとつでせり上がるようにしつらえる。
  • 一コマだけ登場した真弓ちゃんが、何となく『きせかえユカちゃん』のお母さんに似てる。特にフトモモのあたり。疑うなら頭にベレー帽を描き加えてみよう。

「それは無茶だろう、という展開ほどイキイキと輝く」麻雀マンガの王道を行きつつ、ピラミッド型に牌を積む、という新機軸を打ち出すあたり、並みの器量ではない。敵がデザイナー、というのも、色々な想像を掻きたてる。
作画も基本的な部分は押さえてあり(少なくともデルティエが右利きであることはハッキリわかる。とても重要なことだ)、眉毛の強い存在感が心地よい。芸術家っぽく見えないのが難点ではあるが、それはこの際無視してよい。
というわけで、次回からチェキである、兄チャマ。いまだに「ニイチャマ」なのか「アニチャマ」なのか分からない*3。私は鈴凛のフアンだが、雨宮処凛のフアンでもある。


このままだと落ちてないような気がするので、これからの展開を予想してみる。

  • 主人公は破れ、寺にバイトに行き、修行する。真テラバイトというくらいだから、真言宗高野山金剛峰寺にキマリ。*4
  • そこでアーカシック・レコード(大蔵経)にアクセスできる能力を身に着けるが、最大のライバルである兄に破れ、怒りに任せて同級生の恋人を妊娠させる。怒りを抑えるために空手を習い始める。
  • 兄貴にはゴスロリの少女(不治の病)が一緒についているが、彼女を犯して、その他何人もの相手と変態プレーを繰り広げ、最初の相手である血の繋がらない姉を怒らせたり、ときメモで言うところの爆弾が爆発したりするが、最後は何人もの女性を孕ませてわんさか子供を産ませてハッピーエンド。華麗なる竹下堅次朗OKAMAと麻雀マンガのコラボレーション。
  • 生まれた子供は惑星アタラクシアで育つが、地球をめざして困難な戦いの途に着く。もちろん題名は『寺へ…』。

もう自分では笑えない、一ミリたりとも口の端を上げることができないので、山下たろ〜くん、もしくはグズラが「ニアナイス・アルノイディアドだど〜」という姿を想像して尽きせぬ涙にくれたい。なんとか押し切れた。ふぅ〜レベル低すぎ。



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【参考】

*1:前衛歌人。サイン魔で知られ、彼のサイン本はうなるほど古書店にある

*2:元歌は「ジョゼフィヌ・バケル唄へり 掌の火傷に泡を吹くオキシフル」。歌集『装飾楽句』(カデンツァ)収録

*3:エロゲーは音を消してプレイするため

*4:ところで、コンゴウブジとムコウブチとハンバーグラーって響きが似てるよね。ハンバーグラーって、よくよく考えたら強盗なのか…切ない。