風は 未来へ 聞くものだ! ぼくらは にぎやかに 街路をまがり 黒い未来へ 唐突に匂って行く(石原吉郎)

pai-siri2006-09-29

最近とにかく嵌っているTOKYO巡礼歌さんが、同人誌「麻雀の未来」の感想を書いてくれた。

『理想雀士ドトッパー』(片山まさゆき)風の表題のつけ方にもマニア心をくすぐられるが、内容はとにかく過褒にあずかり恐縮と言うほかない。
さてその中に、福本伸行についての言及があった。のたまわく、

とか言うと、麻雀界に圧倒的に貢献しているのは福本伸行だよなぁ…と思います…。うん…。

(↑※ふろく?に頂いた、福地誠さんとizumickさんの麻雀漫画対談小冊子を読んだ上であえて書いています。)

と。
麻雀漫画対談小冊子は、8月のコミティアで委託販売した時の付録で、目にされた方は少ないと思うので、該当する部分を抜き出してみる。麻雀マンガの枠の拡大・縮小といった話題の流れの中での発言である。

Izumick
 福本ねぇ。個人的な恨み、に近いのですが、「カイジ」以降の読者が「福本の麻雀マンガも面白い」っていうのが気に喰わないんですよね。
いたる
 そりゃホント個人的だよ(笑)
福地
 福本さんは、麻雀漫画という舞台を盛り上げたというよりも、麻雀漫画という舞台から出発して大きくなったという感じがするなー。

私の主な関心は、90年代の情報消費社会の中で、麻雀マンガが「流行っている」とか「皆が読んでいる」といった周縁情報によって左右されるようになった、その状況に向いているので、別に福本作品が面白くないとか、嫌いとか言っている訳ではない。
それと私は性格が非常に偏狭なので、ミーハーな麻雀マンガファンが嫌いである。と同時に、『咲-SAKI-』を読んで「闘牌シーンが薄い」とか通ぶった批評をする麻雀マンガファンも大嫌いである。福本作品を推奨したいがために、ギャンブル漫画全般を歪んだ図式の下に押し込もうとする批評はショボイなぁ、と思うし、最近の「カイジ」を読んで「麻雀は難しい」とか言う輩には「もっと勉強しろ」と思う。そんな人間である。
だから福本伸行が麻雀界に貢献しているという意見には、特に異論がない。『天』の東西決戦は、数ある麻雀マンガの闘牌シーンの中でも出色のものであると思う。
しかし福本作品全般、という話になると、正直、心に響くものが少ない。それは主に、赤木の人物造形に対する違和感によるものだと思われるが、自分でもよく分からない。
と言うわけで、まとまらない物をいささか強引に文章にしてみた。乱文失礼。


口直し