BS麻雀マンガ夜話「アカギ」予習

BS麻雀マンガ夜話
10月6日(金)の23:00から、BS麻雀マンガ夜話が開かれるらしい。

題材は『アカギ』と『オバカミーコ』とのこと。

というわけで、『アカギ』メモ。

  • アカギの休載は2000年2月から2001年4月まで。実は長期休載はそれだけ。
  • からくりサーカス』のギイ・クリストフ・レッシュはアカギに似てる。アカギをローマ字で書くと「AKAGI」これを2つに分けると「AKA」と「GI」、「AKA」とは「A.K.A」、「またの名を(Also Known As)」の略語。「GI」はもちろんギイのこと。つまりアカギとは「またの名をギイ」という意味だったのだ。
  • 来賀友志の闘牌は「場」を重視する。理解しやすい範囲で説明すると、全く同じ配牌が来ても、その時のメンツによって打牌は違ってくる、という意味であるが、彼の意図は恐らくそこには留まらない。
    来賀は自身のマンガ原作の闘牌について、「全て実戦譜を元にしている」という趣旨の発言をしているらしい。つまり『天牌』に現れる超絶的なアガリの数々は、いずれも「麻雀で実際にありうる事」の範囲内であり、ある領域に達した4人のプレイヤーが作る「場」では、我々が異常な確率でしか起こりえない、と考えている現象こそが常態であり、通常の理は歪んでしまう、という思想だと考えられる。4人の中に1人でも分かってない奴がいることが問題になるのは、このためだ。
    そしてここでは、読者も厳しく試されている。「場」を見るというのは、4人それぞれの事情を深く理解することである。学生選手権のラストが最後の一牌までもつれたのは何故か、四川が、天狗が何故ああいう決着になったかは、4人がそれまでどういう場を作り上げてきたかを見ないといけない。
    他方『アカギ』では、アカギが最初から慮外の作戦を繰り出すことは分かっているし、そもそも『天』のスピンオフ作品であるため、結末も予想の範囲内にとどまる。いきおい焦点は、アカギが次にどんな発想をしてくるか、あるいはライバルがどのような作戦を取るか、その駆け引きに絞られてくる。
    この方式はキャラクターの過剰さが分かりやすい形で呈示されるので、読者は素早く作品世界内に入り込めるし、サイドストーリーなども構想しやすい。
  • アカギと鷲巣はともに異常者として描かれる。鷲巣は自身の快楽のために人を殺し、アカギはギャンブルの中でしか生を実感できない。2人の対決は簡単に言うと「どっちがお互いを先に恐怖させるか」であり、一応アカギが勝つことが想定されている。では思想的に敗北し、後退せざるを得ない鷲巣はどうならざるを得ないのだろうか。




リソースたち

参考にしたいサイト・ページ。

初期のアカギの闘牌のまとめ。

Wikipediaによるまとめ。メディアミックスを含めた全体を俯瞰しており、参考になる。アニメの製作ミスの一覧が充実している。

構成・セリフの選択、ともに質の高い名セリフ集。

福本のAA(アスキーアート)のまとめから、アカギの項。出典(第○巻の第○話)が明記されているのが素晴らしい。

BS麻雀マンガ夜話の主宰者、ヒロタシ氏によるメモ。鷲巣麻雀が始まってから、1話でどれくらい進んだかをまとめている。左が話数、右が進行状況。